プロジェクトのイメージ・キャラクターは「炎のランナー」です。
石原慎太郎氏が10代後半に描いたデッサンを図案化しています。
「炎のランナー」はシュールレアリズムに傾倒していた慎太郎が擬人化した、太陽からのメッセンジャーです。 このロゴ・マークのために石原慎太郎氏が名付けました。 太陽の燃え盛る炎(コロナ)は若い頃の慎太郎に強烈な力のメッセージを与えていました。 コロナは太陽の表面温度の1000倍を超える500万度にもなり、宇宙に莫大なエネルギーを放出しています。 青春の無限とも思えるエネルギーも超えて、太陽は無敵です。 おれに勝るものはいない、俺が地球を支配していると輝きます。 メッセンジャーは鳥人です。 その出発点はコロナ。 光速で現れ、慎太郎に力を与えます。 慎太郎は、厳粛に現れ、激しく照りつける、この太陽に全知全能の神とも同じ、虞(おそれ)と尊敬を抱いています。
炎のランナーが描かれた1950年ごろは、まだ敗戦(1945年)の混乱を解消できない、欠乏の時代でした。 絵の具やキャンバスを入手できない慎太郎は、図画教室に残る戦前の使用済み画用紙の裏にデッサンを描いていたと話しています。この頃の作品は纏められ、「10代のエスキース」として1991年に出版されました。 欠乏の時代に天が慎太郎に与えたのは、後年では得ることが出来なくなった、若さ故の豊かな感性でした。 現在とは、はるかに技巧的に劣ると自身で言うデッサン力も、若さが持つ鋭いイメージがカバーしています。 ![]() ロゴ・マークにつけられた解説は英語とフランス語が混在しています。 今でも石原氏は、フランスの若き天才詩人のアルチュル・ランボオを引用して話をすることがあります。 10代の頃から慎太郎は、19世紀から20世紀にかけて フランスを中心に発展した詩人ステファヌ・マラルメらのサンボリズム(シンボリズム、symbolisme、象徴主義)、 ダリ、ピカソ、ミロらのシュールレアリズムに傾倒し、作品には多くのフランス語が書き込まれています。 画集「10代のエスキース」は「Surrealisme」「L'ecriture automatique」「La figure」「 Et cetra」の4部から構成され、 炎のランナーは第4部の「Et cetra」に収録されたものです。 描かれた時期については石原氏も記憶が定かでないようですが、 デッサン力がついてきた後年の作品と推測しています。 石原氏に「太陽の季節」の英語訳を問うたところ、「Saison du Soleil」(セソン・ドュ・ソレイユ)だから、 「Season of the Sun」だろうと、フランス語から翻訳していました。 慎太郎にはフランス語の表題がふさわしいのです。 |